KuCoinはアジアに拠点を構えている海外の仮想通貨取引所です。
設立されたのは2017年とまだ歴史は浅いにもかかわらず、多くのトレーダーや投資家が利用しており、いまや世界トップクラスの取引所として知られています。
ただ、日本だとKuCoinを利用している人はそれほど多くなく、どんな取引所なのか気になっている人も多いはず。
そこで本記事では、KuCoinの特徴や口コミ評判、安全性について解説します。
- アルトコインの取引をするときに重宝している
- ステーキング案件で利益が出ていてうれしい
- 送金手数料が安い点が高評価
- KYCができないのが不満
この記事を読めば、KuCoinの良い面・悪い面どちらも知ることができます。
プロトレーダー視点で「信頼できる取引所かどうか?」も解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
タップできる目次
KuCoin(クーコイン)の基本情報と特徴
まずは、KuCoinの特徴について紹介します。
項目 | KuCoinの詳細情報 |
---|---|
会社名 | KuCoin Co,Limited |
設立 | 2017年11月9日 |
取り扱い通貨の数 | 200種類以上 |
香港とシンガポールを拠点にしている海外の取引所
KuCoinは、香港とシンガポールを拠点にしている海外の仮想通貨取引所です。
設立されたのは2017年と比較的新しいですが、ユーザー数は着々と増えています。
CoinMarketCapに載っている取引所の取引高世界ランキングでは世界トップ10に入っており、いまやBinanceやFTXなどと並ぶ大手の取引所になりました。
KYCを行わなければ日本人でも利用可能
KuCoinは2018年に、日本人向けサービスを終了しています。
しかし、KYCを行わなければ日本人でも通貨の入出金やトレードは可能です。
Twitterの口コミなどを見ても、実際にKuCoinを利用している人は多くいます。
ただKYCをしていない場合、1日の出金額の上限は1BTCです。
独自通貨のKCSを発行している
KuCoinは、独自通貨のKCSを発行しています。
BinanceのBNBやFTXのFTTといった通貨と同じく、取引所独自のコインですね。
KCSを保有している人は、保有量に応じて一定数量の配当をもらえたり、KuCoinで取引をする際の手数料が割引になったりなどの特典があります。
投票権としても使えるので、KuCoinを利用する機会のある人はKCSの購入も検討してみるといいでしょう。
KuCoinのメリットは?
ここからは、KuCoinのメリットを解説します。
取り扱い銘柄の種類が多い
1つめのメリットは、取り扱い銘柄の種類が多いことです。
2022年1月時点だと、KuCoinでは200種類以上の銘柄を扱っています。
さらに通貨ペアは800種類を超えており、さまざまな仮想通貨の取引が可能です。
国内の取引所では、取り扱い通貨のもっとも多いコインチェックでも16種類ほどしかありません。
比較すると、KuCoinの取り扱い銘柄の多さは圧倒的です。
とくに知名度の低いアルトコインの取引をしたい人にとっては、大きなメリットといえます。
手数料が安い
2つめのメリットは、手数料が安い点。
KuCoinの取引手数料は、メイカー手数料・テイカー手数料ともに0.1%です。
独自通貨のKSCを保有している人は、持っている数量に応じてさらに手数料が安くなります。
他の海外取引所では、取引手数料を0.15~0.25%程度に設定していることも珍しくありません。
取引1回分の手数料だとそれほど大きな差はありませんが、頻繁にトレードする場合はたとえ手数料の割合がわずかでも、大きな損失につながることもあります。
そういった面では、余計な手数料をかけずに取引ができるKuCoinは、魅力的な取引所だといえるでしょう。
スマホアプリをリリースしている
3つめのメリットは、専用のスマホアプリが使えることです。
KuCoinではiPhoneとandroid版の両方のアプリを提供しており、スマホを使ってトレードや入出金ができます。
日本の取引所だとスマホアプリを使えることがほとんどですが、海外の取引所はアプリをリリースしていないことも多いです。
そうなるとパソコンがない状況ではトレードや資産の管理ができないため、若干不便に感じることもありますよね。
その点、KuCoinのアプリはWeb版とほぼ同じような機能が使えるので、外出時やパソコンのない場面でも仮想通貨の取引ができます。
ベッドに寝転がりながらトレードすることも可能で、気軽に仮想通貨を始められますよ。
KuCoinのデメリットは?
続いて、利用する前に知っておくべきKuCoinのデメリットを紹介します。
日本語に対応していない
KuCoinのデメリットとしてまず挙げられるのは、日本語に対応していない点です。
BybitやBinanceをはじめ、海外でも日本語に対応している取引所はいくつかあります。
日本語でのサポートに対応している海外取引所もあり、やはり日本人にとってはそういった取引所のほうが使いやすいですよね。
しかし、KuCoinは2018年に日本人向けサポートを終了すると発表しており、2022年1月時点だと、言語設定を日本語に切り替えても日本語表示ができません。
そのため、登録はもちろん実際に使い始めてからの操作も、すべて英語など他の言語で行う必要があります。
仮想通貨の取引や資産管理をする際は、専門用語が必要な場面も多く、人によっては操作方法が分からずに困ってしまう可能性も。
KuCoinの使い方を分かりやすく解説しているサイトもありますが、分からないことがある度にそういったサイトをわざわざ調べなければならないのは難点といえます。
金融庁には未登録
日本の金融庁に登録されていないのも、KuCoinを使うデメリットの1つです。
日本にある取引所のほとんどは、金融庁に正式な登録をしたうえでサービスを提供します。
そのため、急なサービスの中止や詐欺などのリスクは低く、誰もが安心して利用可能です。
ところが、海外の取引所は基本的に日本の金融庁には登録されていません。
登録されていないからといって必ずしも日本人が利用できないわけではありませんが、場合によっては日本人向けのサービスを完全に中止する可能性もあります。
最近の事例でいうと、2021年の6月に大手取引所のBinanceが無登録で日本人向けのサービスを提供している取引所として、日本の金融庁から警告を受けました。
実はBinanceは2018年にも警告を受けており、金融庁から計2回の警告をされていることになります。
しかし、2022年1月時点だとBinanceは警告による影響はとくになく、日本人でも以前と変わらずサービスを利用可能です。
KuCoinでもKYCなど一部の日本人向けサービスは終了しているものの、取引や入出金自体は問題なく行えるので、それほど心配する必要はないでしょう。
ただ、今後の金融庁の対応や法律の影響によっては、KuCoinの日本人向けサービスが完全に終了する可能性もゼロではありません。
もしサービス内容の変更や終了があった場合はすぐに資産の移動ができるよう、定期的な情報収集も行っておくといいでしょう。
日本円での入出金ができない
もう1つのデメリットは、日本円での入出金ができないことです。
KuCoinに限らず、海外の取引所は日本円での資産保有ができません。
そのため、トレードをするためには他の取引所から仮想通貨を送金する、もしくはクレジットカードなどで取引用の仮想通貨を購入する必要があります。
ただし、クレジットカードだと手数料が発生することもあるので、おすすめの方法とはいえません。
できるだけ資産を減らさずに入金したいなら、GMOコインやBITPOINTなど送金手数料が無料の取引所から通貨を送金するのが無難です。
なお、KuCoinに入金した通貨も日本円には換金できないので、USDTやBTCといった他の通貨で保有しておく必要があります。
仮想通貨にあまり慣れていない人だと、自分が保有している通貨が日本円でいくらなのかすぐに把握できないこともあり、こういった点もデメリットといえるでしょう。
KuCoin利用者のリアルな評判・口コミは?
KuCoinの基本情報や特徴は分かりましたが、やはり実際に使っている人からの評価も気になりますよね。
そこで、KuCoinユーザーのリアルな口コミ評判を紹介します。
アルトコインの取引で便利
こちらは「KuCoinは普段使っている取引所に購入したいアルトコインがないときに便利」という口コミです。
メリットの項目でも解説したように、KuCoinでは200種類以上という日本の取引所では比較にならないほど多くの銘柄を扱っています。
草コインと呼ばれるほとんど知られていないマイナー銘柄のトレードもできるので、そういった通貨を取引したいときには非常に便利です。
草コインは他の通貨に比べるとボラティリティ(価格変動の度合い)も大きいため、KuCoinで知名度の低い銘柄を購入し、一攫千金を狙うのも投資方法の1つとしてはありですね。
ステーキング案件が儲かる
KuCoinで特定の通貨をステーキングし、利益を出している人もいました。
上記のツイートをした人はJasmyという銘柄をステーキングして、効率的に資産を増やせているようです。
ちなみにJasmyは、日本の取引所であるBITPOINTでも取引できます。
ただ、BITPOINTではJasmyのステーキングサービスは行っていません。
低リスクで保有資産を増やしたい場合は、やはりKuCoinのようなステーキング案件を多く行っている取引所を利用するのがおすすめです。
送金手数料が安い
KuCoinの送金手数料が安いことを高評価する声もありました。
実はKuCoinは取引手数料だけでなく、送金手数料も比較的安めに設定されています。
手数料は時期によって変動することもありますが、たとえばXRPの送金手数料は平均して0.5XRP程度です。
通貨によっては送金手数料が無料の場合もあり、他の取引所に資産を移動させるときも重宝します。
KYCができない
こちらはKuCoinに登録しようとしたものの、KYCができなかったというツイートです。
TwitterにはKuCoinのKYCに通ったという人もいますが、実際にKuCoinでKYC認証をしようとすると、日本の項目自体がありません。
そのため、現時点だとKuCoinでKYCを行うのは難しいでしょう。
本人確認を済ませていないと出金制限があるので、こういった点に不満を抱えている人も多いようです。
やや不便なところはありますが、他の取引所にない魅力もあります。
まずは一度使ってみて判断するのもありですよ。
KuCoinの信頼性や安全性は?
KuCoinは2020年9月に一度、ハッキング被害に遭ったことがあります。
取引所のホットウォレットと結びついた秘密鍵を流出し、被害額はおよそ2億7,500万ドル(日本円で約300億円相当)だったとのこと。
ハッキングが発覚したあとすぐに、KuCoinのCEOであるJohnny Lyuは被害に遭った仮想通貨の全額を補償すると発表しています。
そのあと多くのプロジェクトが迅速に対処し、約158~170億円相当の仮想通貨は保護されたようです。
首謀者は北朝鮮のハッカー集団「Lazarus Group」だといわれており、2020年に起きた仮想通貨のハッキングとしては最大規模の事件でした。
現在は過去の経験を活かし、マイクロウォレットの導入・暗号化による資産保護の強化・監査部門の設置など、セキュリティに力を入れています。
事件が起きたあとの対応や、その後のセキュリティシステムなどを考えると、KuCoinの安全性や信頼性は高いといえるでしょう。
ただ、いくらセキュリティに力を入れていても100%安全とは言い切れません。
KuCoinに限らず、仮想通貨の取引所はハッキングや不正アクセスの被害に遭う可能性は少なからずあります。
そのため、もしものときに備えて自分の資産を守る対策をしておくことが大切です。
資産保護の対策としては、インターネットと切り離した状態で仮想通貨の管理ができるハードウェアウォレットの利用をおすすめします。
プロトレーダーおすすめのハードウェアウォレットは以下の記事で紹介しています。
ぜひあわせて読んでみてくださいね。
まとめ
KuCoinは香港とシンガポールを拠点にしている海外の取引所です。
日本人向けサービスは終了しているものの、KYCを行わなければ日本人でも利用できます。
Twitterの口コミでは、取り扱い通貨の多さや送金手数料の安さを高く評価する声が見受けられました。
KuCoinで特定の通貨をステーキングし、安定して利益を獲得している人もいるようです。
とくに、知名度の低い仮想通貨のトレードをしたい人や手数料を安く抑えたい人は、ぜひKuCoinに登録してみるといいですよ。
ただ、一部ではKYCができないことに不満の声もあがっています。
その他、日本語に対応していなかったり、金融庁に未登録だったりなどのデメリットもあるので、これらの点も考慮しつつ利用するかどうか検討してみるといいでしょう。
- 日本語や日本円には非対応だが、取り扱い通貨が多くアルトコインのトレードにはおすすめ
- 金融庁には登録していないものの、手数料が安くスマホアプリも使いやすい
どんな取引所にもプラス面とマイナス面があります。
KuCoinの欠点を補うためにも、他の取引所と併用して使うと良いかもしれないですね。