海外取引所のなかでも、トップクラスの知名度や取引高を誇るBybit(バイビット)。
仮想通貨の現物取引はもちろん、レバレッジ取引も可能です。
ただ、Bybitを使ったことがない人からすると、レバレッジ取引の種類や発生する手数料をきちんと把握したうえで利用したいですよね。
そこで本記事では、Bybitのレバレッジ取引の種類や基本ルール、具体的なやり方を徹底解説します。
レバレッジ取引で発生する手数料や、メリット・デメリットも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- 資金を現物ウォレットからデリバティブアカウントに移動
- 取引方法と銘柄を選ぶ
- 注文方法や数量を設定して注文ボタンをクリック
- 決済注文にすれば保有ポジションの手動決済も可能
Bybitの口座をお持ちでない人は先に開設しておきましょう。
登録は3分程度で終わります。
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Bybitのレバレッジ取引の種類と最大レバレッジ
まずはBybitのレバレッジ取引の種類と、それぞれの最大レバレッジ倍率を紹介します。
最大100倍のUSDT無期限契約
USDT無期限契約は名前の通り、契約期限のないレバレッジ取引です。
証拠金にするのはUSDTというステーブルコインで、最大レバレッジは100倍。
※ステーブルコインとは、米ドルと価格が連動する仮想通貨のこと
対応銘柄は100種類以上あり、Bybitのなかではもっともオーソドックスなレバレッジ取引といえます。
なお、USDT無期限契約ではBTCやETHは最大100倍のレバレッジに設定できますが、その他のアルトコインは10~50倍程度が上限です。
最大125倍のUSDC無期限契約
USDC無期限契約も契約期限のないレバレッジ取引ですが、証拠金にするのはUSDCというステーブルコインなのが特徴。
記事執筆時点(2022年11月23日)では、BTCや主要なアルトコインを含めて計21種類の通貨に対応しています。
設定できる最大レバレッジは125倍です。
最大100倍のインバース無期限契約
インバース型の無期限契約は、ステーブルコイン以外の仮想通貨を担保にしたレバレッジ取引です。
先述したUSDTやUSDCの契約とは違い、BTC・ETH・XRPなどボラティリティの激しい通貨を証拠金にします。
そのため、担保にしている仮想通貨の値動きが、トータルの収益にも影響するのが特徴です。
インバース型無期限契約は有効期限や決済日が存在せず、自分で決済をしない限りはずっとポジションを保有したままトレードができます。
最大レバレッジは100倍で、対応通貨は現時点だと9種類です。
最大100倍のインバース型先物
インバース型先物は証拠金にする通貨のルールや仕組みは、先述したインバース無期限契約と同じです。
ただし、先物取引では決済日があらかじめ決められており、期日になると必ずそのポジションが決済されます。
また、無期限契約ではポジションを維持するための資金調達料というものが発生しますが、先物契約では資金調達料がないのも違いの1つです。
インバース型先物の最大レバレッジは100倍で、現状だとBTCとETHの2種類の通貨に対応しています。
最大5倍のマージン取引
マージン取引は、現物アカウント内の資産を担保にすることで、Bybitから追加資金を借り、ウォレット残高よりも大きなポジションでトレードする方法です。
現物アカウントに資産を残したままで、レバレッジ取引が可能になるのが最大のメリット。
現時点ではBTC・DAI・USDT・USDCそれぞれの通貨ペアで、多様な銘柄のトレードができます。
マージン取引で設定できるレバレッジ倍率は、最大で5倍です。
なお、マージン取引でも無期限契約と同じように、一定水準の損失ラインにまでポジション価格が到達すると、ロスカット(強制決済)のリスクがあります。
また、通常のトレードと同様に取引手数料がかかる他、借入金に対する利息が1時間ごとに発生するのも特徴です。
最大3倍のレバレッジトークン
レバレッジトークンは、トークン自体にレバレッジを効かせた取引方法です。
こちらも現物市場で行われる取引で、たとえばレバレッジ3倍のトークンで取引をし、対象通貨の価格が1%上昇すると、保有中のトークン価格は3倍になります。
簡単にいうと、保有しているトークンの値動きが大きくなる取引方法ですね。
設定できる最大レバレッジは3倍で、対応銘柄は18種類です。
とくに通貨の価格が上昇か下降のどちらか一方的に動く相場において、収益を最大化できます。
通常の無期限契約とは違い、レバレッジトークンには証拠金や強制決済のルールがありません。
なお、レバレッジトークンには対象銘柄の価格が下がると、保有トークンの価格が上がる金融商品もあります。
Bybitのレバレッジ取引のルール
続いて、Bybitのレバレッジ取引における主なルールを解説します。
取引方法はクロスマージンと分離マージンの2種類がある
Bybitのレバレッジ取引にはクロスマージンと分離マージンという2種類のマージンモードがあり、それぞれ特徴が異なるので事前に把握しておきましょう。
クロスマージン:口座にあるすべての資産を証拠金に使う
クロスマージンは、口座内にあるすべての資金を証拠金に使う取引方法です。
より多くの資産を証拠金に充てられるため、ロスカットのリスクを抑えられるのが利点。
ただし、ロスカットが施行されると口座にあるすべての資金を失う可能性があります。
強制決済になる可能性を下げられる反面リスクは大きいので、初心者にはあまりおすすめできないやり方です。
分離マージン:口座にある一部の資産を証拠金に使う
分離マージンは、ウォレット内にある一部の資産を証拠金に使う方法です。
クロスマージンとは違い、すべての資産を失くすリスクを下げられるのがメリット。
一方、使用できる証拠金が少ないので、ロスカットにあう可能性は高くなります。
すべての資金を失うのが不安な人は、まずこちらの分離マージンから始めてみるといいでしょう。
注文方法は主に3種類
Bybitのレバレッジ取引の注文方法は、主に以下の3種類があります。
- 成行注文:既に注文板に並んでいる価格で約定する方法
- 指値注文:注文板にはない新しい価格を掲示して注文する方法
- 条件つき注文:事前にトリガー価格を設定しておき、その価格に到達したら成行もしくは指値注文が行われる方法
上記注文の他、損切りや利食いなどの細かい設定も可能です。
なお、取引方法によっては条件つき注文ができない場合もあるので、詳細は各注文画面で確認してみてください。
取引方法によって各種手数料が発生する
Bybitのレバレッジ取引は、取引の種類によって各種手数料が発生します。
主な手数料は下記の通りです。
- テイカー手数料:0.06%
- メイカー手数料:0.01%
- 資金調達料:保有ポジションによって変わる
- 決済手数料(先物取引):0.05%
資金調達料はポジションを保有するためにかかる手数料で、相場状況と保有ポジションにより、ユーザーにとってマイナスになるときとプラスになるときがあります。
また、Bybitでは総資産価値もしくは直近30日の取引高によって変わるVIPランクというものがあり、ランクに応じてテイカー手数料やメイカー手数料が変動する仕組みです。
Bybitのレバレッジ取引の詳しい手数料体系については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Bybitのレバレッジ取引のメリット
Bybitのレバレッジ取引にはどんなメリットがあるのか紹介します。
国内取引所に比べてハイレバレッジでの取引が可能
Bybitでレバレッジ取引をするメリットとしてまず挙げられるのは、国内取引所と比較してハイレバレッジでのトレードが可能な点です。
日本を拠点にしている仮想通貨取引所では、金融商品取引法により、最大でも2倍のレバレッジしか設定できないよう決められています。
しかし、Bybitは海外の取引所のため日本の金融商品取引法の影響を受けておらず、最大100倍のレバレッジトレードが可能です。
たとえば手元に10,000円がある場合、日本の取引所では最大20,000円でのトレードしかできませんが、Bybitでは最大100万円の金額でレバレッジ取引ができます。
比較するとかなりの差があるので、少額で大きな利益を狙いたい人にとっては魅力といえるでしょう。
約定力が高くトレードしやすい
約定力が高くトレードがしやすいのも、Bybitのレバレッジ取引の利点です。
CoinMarketCapが独自に発表している仮想通貨取引所ランキングによると、Bybitはデリバティブ取引部門において、世界トップのBinanceに次ぐ2位に位置しています。
つまり、世界中にいるたくさんのユーザーがBybitでレバレッジ取引をしているということです。
取引している人が多ければそのぶん注文板が厚くなるので、自分が希望する注文価格で約定しやすくなります。
これはレバレッジ取引で世界トップクラスのユーザー数や取引高を誇る、Bybitの大きなメリットです。
追証がなく借金のリスクがない
Bybitでは追証のない、ゼロカットシステムを採用しています。
- 追証とは:レバレッジ取引で証拠金維持率が一定水準を下回った場合、追加で預け入れなけばならない証拠金のこと
- ゼロカットシステムとは:万が一証拠金や口座の残高を上回る損失が出てしまっても、マイナスぶんを業者が負担してくれるシステムのこと
日本の取引所は原則として追証ルールがあり、口座にあるお金以上の損失が出れば、最悪の場合は借金をしてでも損失を負担する必要があります。
しかし、Bybitでは上記のルールを導入しているため、ユーザーはレバレッジ取引をして損失が出たとしても、口座内にある資金以上の損失を負担する必要がありません。
つまり、どんなに大きな損失があっても、借金をするリスクがないということです。
借金の心配をせずレバレッジ取引ができるのは、海外取引所であるBybitならではのメリットですね。
Bybitのレバレッジ取引のデメリット
Bybitのレバレッジ取引はメリットだけでなく、デメリットがあることも知っておきましょう。
海外の他社に比べると最大レバレッジは低い場合がある
Bybitは海外にある他の取引所に比べると、最大レバレッジが低いことがあります。
参考までに、海外の代表的な取引所と比較してみました。
上記を見る限りだと、Bybitの最大レバレッジは海外取引所のなかだと平均的で、極端に低いわけではありません。
ただ、なかにはCryptoGTやBitterzなど500倍以上のレバレッジが可能な業者もあり、そういった取引所と比較するとやや低いです。
初心者には使いこなすのがやや難しい
初心者には使いこなすのが難しいのも、デメリットの1つとして挙げられます。
ここまで解説したように、Bybitのレバレッジ取引はいくつも種類があり、それぞれで取引ルールが異なります。
国内取引所ではシンプルな取引方法を採用していることが多いため、そういった取引所に比べるとハードルは高めです。
慣れてくれば問題なく使えますが、はじめて利用する人は基本的な使い方や仕組みを覚えるのがやや大変なのは難点といえます。
レバレッジ倍率を上げるとロスカットのリスクも高くなる
もう1つのデメリットは、レバレッジ倍率を上げるとロスカットのリスクも高くなること。
これはBybitに限ったことではありませんが、レバレッジ倍率が高くなるとそのぶん必要な証拠金が増え、強制決済になる可能性も高くなります。
また、レバレッジの倍率設定を高くすればするほど、トレードが失敗したときの損失も大きくなるので、場合によっては1度で大金を失うことも。
Bybitのように何十倍ものレバレッジ設定ができる取引所を使うときは、上記のようなリスクがあることも覚えておかなければいけません。
Bybitのレバレッジ取引のやり方
ここからは、Bybitのレバレッジ取引のやり方を紹介します。
今回は例として、USDT無期限契約を行う流れを見ていきましょう。
資金を現物ウォレットからデリバティブウォレットに移動
Bybitでレバレッジ取引をするには、まずデリバティブ専用のウォレットに資金を移す必要があります。
トップページの右上にある「資産」メニューから「現物」をクリックして、以下の画面を開いてください。
次に現物資産のなかからUSDTを探して、右側にある「振替」ボタンをクリックします。
以下の画面が表示されたら、振替元を「現物」にして、振替先を「デリバティブ」に設定しましょう。
数量の項目に移動させたいUSDTの金額を入力して「確定」ボタンをクリックします。
これで資産の移動は完了です。
取引方法と銘柄を選ぶ
資産をデリバティブアカウントに移動させたら、画面上部の「デリバティブ」メニューにある「USDT無期限契約」にカーソルを合わせて、取引したい通貨ペアを選びます。
たとえばBTC/USDTペアでトレードしたい場合は、上の画像のように通貨ペアを選び、クリックすればOKです。
注文方法やレバレッジを設定して注文
トレードしたい通貨ペアを選ぶと、以下のような取引画面が表示されるはずです。
ここから、まずはレバレッジの倍率を設定しましょう。
レバレッジ倍率は、画面右上あたりにある「クロス」や「マージン」と表示されている項目で設定できます。
続いて下の項目で、注文方法や契約数量を入力してください。
10%・25%といったボタンをクリックすると、口座にある資産からパーセンテージに応じて金額を設定できます。
また、その下にある「買い注文利食損切」や「売り注文利食損切」では、各注文の利食い・損切り設定も可能です。
すべて設定したら「買いで参入」もしくは「売りで参入」をクリックします。
最後に以下のような確認画面が表示されるので、設定に問題なければ「確定」ボタンを押しましょう。
これで注文は完了です。
保有ポジションの決済も可能
注文後、保有しているポジションを手動で決済することもできます。
決済したいときは、先ほどの画面で以下のように「参入注文」から「決済注文」へと設定を変更してください。
決済注文でも、成行注文と指値注文のどちらかを選択可能です。
注文方法や数量を設定したあと「買いで決済」や「売りで決済」をクリックすれば、決済注文が完了します。
なお、ロングで入った場合は「売りで決済」を、ショートで入った場合は「買いで決済」の注文をすればOKです。
Bybitのレバレッジ取引をする際の注意点
Bybitのレバレッジ取引をするうえで、注意しておくべき点も解説します。
余剰資金で取引する
大前提として注意しておきたいのが、必ず余剰資金で取引すること。
投資は余剰資金で行うのが鉄則ですが、とくにレバレッジ取引では大きな金額を扱うことになるので、油断していると一瞬で資産が溶けてしまうこともざらです。
とくに初心者の場合、大きな利益を狙おうといきなりハイレバレッジでのトレードをして、生活に必要なお金までなくなってしまうことも少なくありません。
多少の損失が出ても問題ないように、無理のない範囲でトレードするよう気をつけてください。
損切りラインを決めておく
レバレッジ取引をする際は、損切りラインを決めておくのも忘れないようにしましょう。
投資の世界で100%勝つのは無理なので、トレードで負けてしまうことは必ずあります。
そのときに損切り設定をしていないと、ロスカットになるまで損失が膨らんでしまい、予想以上に資産がマイナスになってしまう可能性も。
事前に徹底する水準を決めておき、自分のトレードルールを徹底しながら資金管理をすることも大切です。
資金調達料を考慮する
もう1つの注意点は、資金調達料を考慮しながらトレードをすること。
Bybitのレバレッジ取引では1日3回、下記のタイミング(日本時間)で資金調達料が発生します。
- 1:00
- 9:00
- 17:00
資金調達料が自分にとって、プラス収益になる相場なら問題ありません。
ただ、マイナス収益になる相場だと、ポジションを保有しているだけで資金調達料を支払うことになります。
そのことに気づかずにいると思わぬ損失が発生するケースもあるので、資金調達料の状況や変動にも注目しておきましょう。
Bybitのレバレッジ取引に関するよくある質問
最後に、Bybitのレバレッジ取引に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。
レバレッジ倍率は途中で変更できますか?
Bybitでは、ポジション保有中でもレバレッジ倍率を変えられます。
また、まだ施行されていない保留中の注文のレバレッジ変更も可能です。
レバレッジ取引の最小注文額は決まっていますか?
レバレッジ取引の最小注文額は決まっており、各銘柄によって異なります。
たとえばBTCのUSDT無期限契約の最小注文額は、0.001BTCです。
銘柄ごとの最小注文額を確認したいときは、注文画面でページを下にスクロールし、以下のように「もっと見る」というボタンをクリックしてください。
そうすると契約の詳細画面に飛び、ページ最下部にある「最小契約サイズ」という項目で、最小注文額を確認できます。
レバレッジ1倍のトレードもできますか?
Bybitでは、レバレッジ1倍でのトレードも可能です。
ただし、レバレッジを1倍に設定してもロスカットのリスクはあります。
リスクを抑えてレバレッジをかけずにトレードしたいなら、通常の現物取引を行うのがおすすめです。
まとめ
Bybitでは最大125倍のレバレッジをかけた仮想通貨トレードができます。
レバレッジ取引だけでも6種類の取引方法があるため、自分のトレードスタイルや資産状況に応じた投資ができるでしょう。
ゼロカットシステムを採用しており借金の心配もなく、初心者でも無理なくレバレッジ取引ができますよ。
ただし、ハイレバレッジでの取引は資産をすべて失う可能性もあるので、必ず余剰資金でトレードすることや、損切りラインを決めておくことも忘れないよう注意してくださいね。
- レバレッジ倍率は海外の他社より低いことはあるものの、日本の取引所に比べると圧倒的に高い
- 初心者には使いこなすのがやや難しいが、約定力が高くトレードしやすい
Bybitの登録でつまずいている人は以下の記事を参考にしてください。