日本人をはじめ、世界中のトレーダーが利用しているBybit(バイビット)。
レバレッジトレードもできる魅力的な取引所ですが、一部のデリバティブ取引をする際は資金調達率というものが発生します。
できるだけ損失を抑えて賢くトレードするには、資金調達率について理解しておくことが大切です。
ただ、初心者からするとあまり聞きなれない言葉で、そもそも資金調達率とは何なのかや、どれくらいの手数料がかかるのか知らない人も多いはず。
そこで本記事では、Bybitの資金調達率の仕組みや計算方法などを紹介します。
リアルタイムの資金調達率を確認するやり方や、資金調達率を利用して稼ぐ方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 資金調達率はポジションを維持するために発生する手数料
- ポジションによって、手数料を支払う場合と受け取れる場合がある
- 資金調達率が発生するタイミングは、1:00・9:00・17:00の1日3回
- 基本の変動幅は±0.001%~0.375%
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Bybitの資金調達率とは?
まずは、Bybitの資金調達率とは何なのかを解説します。
ポジションを維持するために発生する手数料
資金調達率とは、Bybitのレバレッジ取引において、ポジションを維持するためにかかる手数料のことです。
成行注文や指値注文といった、取引手数料とは別に発生します。
発生するのは主に、USDT無期限契約・USDC無期限契約・インバース型無期限契約などです。
オプション取引や期限つきの先物契約では発生しません。
資金調達率が設定されている理由は、現物価格と先物価格の価格乖離がなるべく起きないようにするためです。
保有ポジションによってプラスになるときとマイナスになるときがある
資金調達料は、市場における注文が多いほうのポジションを保有している人から手数料を徴収し、注文が少ないほうのポジション保有者に分配されるシステムになっています。
つまり、ロング(買い)とショート(売り)どちらでエントリーしているかによって、ユーザーにとってマイナスになるときとプラスになるときがあるということです。
たとえば買い注文が多い相場のときにロングでエントリーしている人は、手数料が取られます。
逆に買い注文が多いときにショートエントリーしている人は、手数料をもらうことが可能です。
なお、Bybitでは市場でロングが多い場合は画面上の資金調達率がプラスで表示され、ショートが多いときはマイナスで表示されます。
資金調達率とポジションの関係値を、表でまとめてみました。
資金調達率の表示 | ロングでエントリーしている人 | ショートでエントリーしている人 |
---|---|---|
プラス | 手数料を支払う | 手数料がもらえる |
ショート | 手数料がもらえる | 手数料を支払う |
資金調達率が発生するのは、1:00・9:00・17:00の1日3回
Bybitの資金調達率は、以下のように1日3回、8時間おきのタイミングで発生します。
- 1:00
- 9:00
- 17:00
たとえば、自分にとってマイナスになるポジションを保有していたとしましょう。
上記のタイミングを把握していれば、各時間になる前にポジションを決済することで、手数料が取られるのを回避することも可能です。
ただ、もしポジション自体の価格がマイナスになっている場合、むやみに決済すると手数料以上の損失が出てしまいます。
資金調達率と保有ポジション、両方の状況を確認しながらトレードすることが大切です。
資金調達率の変動幅は-0.001~-0.375%、もしくは0.001~0.375%
資金調達率は、金利状況やインデックス(市場全体の動きを表す指標)などによって変動します。
このあたりの計算はかなり複雑なので、ひとまず資金調達率は常に変動するもの、と覚えておくといいでしょう。
変動率は、BTCだと-0.001~-0.375%、もしくは0.001%~0.375%です(インバース型無期限の場合)。
BTC以外のアルトコインは、上記を超える変動率になることもあります。
-0.375や0.375%など、プラスマイナスの数値が大きくなるほど、実際に支払うもしくは受け取る資金調達率も高くなるということですね。
なお、資金調達率は取引方法によっても、変度幅の上限・下限に差があります。
詳細はBybitのヘルプページに記載されているので、気になる人はそちらもチェックしてみてください。
Bybitの資金調達率の計算方法
資金調達率の仕組みがわかったところで、実際にどれくらいの手数料が発生するのか、計算方法を見てみましょう。
Bybitの資金調達率は、以下の式によって算出できます。
- ポジション価額=契約数量÷マーク価格
- 資金調達料=ポジション価額x資金調達率
たとえば、トレーダーが以下の条件でロングポジションを持っていたとしましょう。
- BTC/USDT契約で10,000USDTぶんのロングポジションを保有
- マーク価格は8,000USDT
- 資金調達率は0.01%
上記の場合、まずは次のようにポジション価額を算出します。
ポジション価額=10,000÷8,000=1.25BTC
続いてポジション価額を使用し、資金調達料を計算します。
資金調達料=1.25BTC×0.01%=0.000125BTC
資金調達料は、0.000125BTCです。
1BTCが200万円だとすると、実際の資金調達料は250円ということになります。
Bybitの資金調達率の確認方法
ここからは、Bybitで資金調達率を確認する方法を紹介します。
今回は例として、USDT無期限契約の資金調達率を確認するやり方を見ていきましょう。
まずBybitの画面上部にある「デリバティブ」のメニューから「USDT無期限契約」の項目を開きます。
次に上の画像のように、トレードする通貨ペアを選んでください。
そうすると以下のような画面に移り、チャートの上部に資金調達率が表示されます。
他の取引方法でも、同様の手順で各通貨ペアの資金調達率をチェック可能です。
Bybitで資金調達率の履歴を見る方法
Bybitで資金調達率の履歴を確認する方法も紹介します。
資金調達率自体の推移を見るやり方と、自分が支払った資金調達料を見るやり方があるので、それぞれ見ていきましょう。
資金調達率の推移一覧の確認方法
資金調達率の推移一覧は、Bybitの公式サイトにある資金調達履歴のページでチェックできます。
ページを開くと以下の画面になるので、左側にあるメニューを「資金調達率履歴」という項目に設定してみてください。
そうすると次のように、資金調達率の過去の推移を一覧で表示できます。
なお、ページ上部にある設定や「契約を選択」という項目で、表示する取引方法や通貨ペアの変更も可能です。
自分が支払った資金調達料の確認方法
過去に自分が支払った資金調達料を確認したいときは、まず画面右上の「注文」メニューから「デリバティブ注文」を選びます。
次に左側の項目で「取引履歴」を選び、以下のように取引履歴の一覧を表示してください。
上の画像の「資金調達」と表示されている注文履歴の箇所が、実際に自分が支払った手数料金額です。
Bybitの資金調達率は他社と比べて高いときもあれば低いときもある
Bybitの資金調達率は他社と比べると高いのか低いのか、代表的な国内取引所と比較してみました。
取引所名 | 資金調達率 |
---|---|
Bybit | ±0.001%~0.375% |
DMM Bitcoin | 一律0.04% |
bitFlyer | 一律0.04% |
GMOコイン | 一律0.04% |
国内の取引所の多くは、資金調達率を一律0.04%に設定しており、マイナスになることはありません。
Bybitの資金調達率はマイナスになることもあるため、相場次第では他社よりもお得にトレードが可能です。
ただ、Bybitの資金調達率は変動することを考えると、逆に他社より損をすることもあります。
つまり、Bybitの資金調達率は他社と比べて高いときもあれば、低いときもあるということですね。
ちなみに、海外の取引所は国内とは違い、資金調達料がプラスマイナスのどちらにも変動することが多いです。
その場合は、資金調達率の上限や変動幅によって損益に差があり、単純な比較は難しいので、詳細は各取引の公式サイトを確認してみるといいでしょう。
Bybitの資金調達率を利用して稼ぐ方法
実はBybitのような資金調達率が変動する取引所では、資金調達料を利用して稼ぐ方法もあります。
デルタ・ニュートラル戦略でトレードすれば低リスクで稼げる
資金調達料を利用して稼ぐ代表的な方法として、デルタ・ニュートラル戦略というものがあります。
デルタ・ニュートラル戦略は簡単にいうと、通貨の価格が上がっても下がっても資産が減らないようポジションを取り、その間に手数料収入を得る方法のことです。
たとえば、以下のような条件でトレードしたとします。
- 現物取引で1BTCを購入する
- USDT無期限契約のレバレッジ1倍で、現物と同じ数量の1BTCのショートポジションを取る
この場合、BTCの価格が下がれば現物取引のほうも資産価値が下がりますが、ショートポジションのほうはプラス収益になるので、実質的な損益はプラスマイナスゼロです。
逆にBTCの価格が上がった場合、現物取引の資産価値も上がりますが、ショートポジションのほうはマイナス収益になり、こちらも損益はプラスマイナスゼロになります。
この間に1日3回のタイミングで資金調達率を受け取ることができれば、そのぶんの手数料はすべてプラス収益として獲得可能です。
つまり、両建てをしてポジションの損益が常にプラスマイナスゼロになる状態にしておき、手数料収入のほうで利益を得るという戦略ですね。
資金調達率をチェックしながら行う必要があるので上級者向けではありますが、低リスクで資産を増やせる裏技のような方法といえます。
極端な暴騰が起きたときは損失のリスクもある
デルタ・ニュートラル戦略は低リスクで稼げる方法ではあるものの、損失のリスクもあります。
これはレバレッジ1倍でポジションを保有したとしても、ロスカットにあう可能性があるからです。
Bybitではレバレッジ1倍のトレードも可能ですが、たとえレバレッジ1倍でもロスカット基準は設定されています。
仮にショートでエントリーしている通貨の価格が暴騰し、証拠金維持率が基準ラインを下回ると、強制決済される仕組みです。
その場合、資金調達料の利益ではとても補いきれないような大きな損失が生じることになります。
もちろんレバレッジ1倍は、何倍ものレバレッジをかけるよりロスカットになるリスクは低いものの、ボラティリティの激しい仮想通貨の世界において可能性はゼロではありません。
デルタ・ニュートラル戦略でトレードする際は、上記のようなリスクがあることも念頭に置いておく必要があります。
Bybitの資金調達率に関するよくある質問
最後に、Bybitの資金調達率に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。
資金調達率は両建てでも発生しますか?
資金調達率は、両建てをした場合も発生します。
同じ価格のポジションで両建てをすれば、先述したデルタ・ニュートラル戦略と同じような原理で、手数料の相殺も可能です。
ただし、価格が異なるポジションで両建てをした場合、手数料を相殺しきれない、もしくは2倍以上の手数料を支払わなければならない可能性もあります。
資金調達料は銘柄によって異なりますか?
資金調達率は、銘柄によって異なります。
また、取引方法によっても資金調達率には差があるので、詳細は各通貨のトレード画面や、Bybitの公式サイトの情報をチェックしてみるといいでしょう。
Bybitで資金調達率以外にかかる手数料はありますか?
Bybitでは資金調達率以外に、下記のような手数料がかかります。
- 取引手数料(テイカー・メイカー)
- 出金・送金手数料
- 決済手数料
- コンバート手数料
基本的に、入金や両替には手数料はかかりません。
Bybitの手数料については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる人はこちらもチェックしてみてください。
まとめ
Bybitではデリバティブ取引をする際に、ポジションを保有するための資金調達率が発生します。
資金調達率の変動幅は-0.375~-0.001%、もしくは0.001%~0.375%ですが、銘柄や取引方法によって異なるので、詳細は公式サイトを確認してみるといいでしょう。
なお、資金調達率が発生するタイミングは、1:00・9:00・17:00の1日3回です。
デリバティブ取引を行う際は、このタイミングも考慮しつつトレードするといいですよ。
- リアルタイムの資金調達率は、各銘柄のトレード画面に表示されている
- 資金調達率の推移は、公式サイトの資金調達履歴ページで確認できる
- 自分が支払った資金調達料は、注文画面の取引履歴でチェック可能
Bybitの登録でつまずいている人は以下の記事が参考になりますよ。