海外取引所であるBybitのローンチパッドで上場して話題になった、Apex Pro(ApeX Protocol)というDEX(分散型取引所)。
仮想通貨のデリバティブ取引に特化しており、取引するだけで報酬を得られる、トレードマイニングイベントを行っていることでも注目を集めています。
しかし、新しいDEXということもありまだ認知度は低く、そもそもApex Proとは何なのか、利用するメリットはあるのかなどが気になっている人も多いでしょう。
そこで本記事では、Apex Proの特徴やメリット、基本機能や使い方を紹介します。
Apex Proに入金する方法や、Bybitから直接アクセスするやり方も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
- Apex Proは大手取引所や投資機関が投資している、デリバティブ取引に特化したDEX
- DEXでありながらCEXのような使いやすさ
- トレード時にコストがあまりかからず処理スピードも速い
- 取引するだけで報酬がもらえるトレードマイニングイベントを開催している
Apex Proの将来性についても言及しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
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Apex Pro(DEX)の特徴は?
まずはApex Proとは何なのか、概要や特徴について解説します。
Bybitが出資している、仮想通貨のデリバティブ取引に特化したDEX
Apex Proは、ApeX ProtocolというDeFi(分散型金融)関連のプロジェクトが提供している、DEXプラットフォームです。
DEXとは、中央に管理者のいない分散型取引所のことです。
開発元であるApeX Protocolは、大手取引所のBybitやDragonfly Capitalなどをはじめ、有名な取引所や投資機関から出資を受けています。
DEXは中央管理者のいるCEXとは違い、本人確認なしで誰でも利用できる、仲介手数料が不要、などの点がメリットです。
そのなかでもApex Proは、仮想通貨のデリバティブ取引に特化しているのが特徴。
設定できるレバレッジ倍率は銘柄によって異なり、最大レバレッジは20倍です。
また、DEXとしては珍しく、CEXとも直接連携して使えます。
記事執筆時点(2022年12月18日)だと既にBybitと統合しており、Bybitの画面から直接Apex Proにアクセス可能です。
ApeSoulによるWeb3.0時代の信用システムを採用
Apex Proは、SBT(ソウルバウンドトークン)としてApeSoulを採用しています。
SBTとは、個人の経歴や行動を証明するために発行される、譲渡不可能なNFTのことです。
Apex ProではこのApeSoulを導入することで、ユーザーは身元を公表しなくても、自身の取引実績を証明できる仕組みです。
ApeSoulのようなシステムは、分散型のインターネットとして近年注目されている「Web3.0」を形作るものだとされています。
いわばApex Proは、ApeSoulによるWeb3.0時代の信用システムを採用したDEXといえるでしょう。
さまざまなチェーンやウォレットに対応している
Apex Proは、さまざまなチェーンやウォレットに対応しているのも特徴です。
現状だと、チェーンは以下の4種類に対応しています。
- Etherium
- BNB Chain(BSC)
- Polygon
- Arbitrum One
また、接続できる代表的なウォレットは以下の通りです。
マルチチェーンかつ多くのウォレットにも接続できることから、利便性の高いDEXといえますね。
2種類のトークンを発行している
Apex Proは、下記2種類の独自トークンを発行しています。
- APEX:ガバナンストークン
- BANA:リワードトークン
APEXはガバナンストークンで、一定枚数を保有して特定条件を満たすことで、プロジェクトの意思決定に対する提案や、投票への参加などが可能です。
BANAはリワードトークンで、Apex Proのプロジェクトに貢献すると、その報酬として分配されます。
BANAのほうは現時点だと、後述するトレードマイニングというイベントに参加することで獲得できるようです。
Apex Pro(DEX)のメリット
Apex Proの概要がわかったところで、利用するメリットを見ていきましょう。
DEXながらCEXのように使える
1つめのメリットは、DEXでありながらCEXのように使えること。
一般的なDEXは、たとえトレード機能があったとしても独特な取引画面を採用していることが多く、慣れていない人だと使いづらいことがあります。
DEXによっては、そもそもCEXのようなトレード機能が使えないことも。
一方、Apex ProはCEXとほぼ同じような画面が採用されています。
そのため、従来の取引所しか利用したことがない人でも、比較的使いやすいでしょう。
低コストかつ取引スピードが速い
Apex Proは数あるDEXのなかでもトレード時のコストがあまりかからず、なおかつ取引スピードが速いのも魅力の1つ。
これはApex Proが「StarkEx」という技術を導入しているためです。
StarkExはStarkware社が開発したレイヤー2のスケーラビリティエンジンで、毎秒約10件のトランザクションと、1,000件の取消処理に対応できるとされています。
Apex ProはStarkExを採用することにより、ユーザーがスムーズかつ低コストでトレードができるような利用環境の実現を目指しているとのこと。
その他、StarkExの技術を基盤にすると先述したようにマルチチェーンに対応できたり、セキュリティとプライバシーを保護できたりといったメリットもあります。
トレードマイニングによる報酬がもらえる
3つめのメリットは、トレードマイニングが行えること。
トレードマイニングとは、取引所内で仮想通貨の売買をする際に発生する、取引手数料を利用したマイニングシステムのことをいいます。
簡単にいうと、トレード時にかかった取引手数料の何%かを、取引所の独自トークンで還元するシステムのことです。
Apex Proのトレードマイニングでは取引高に応じて、独自トークンのBANAを獲得できます。
取引により利益を得ることから、Apex Proはこの仕組みを「Trade-to-Earn」と呼んでいるようです。
イベントは2022年11月21日から52週間(約1年間)に渡って行われ、1週間ごとにラウンドが開催されるとのこと。
実際に獲得できる報酬額は、以下の計算式によって算出されます。
報酬額=分配される報酬総額×(自分のマイスコア÷全ユーザーのスコアの合計)
基本的に報酬はトレードするだけでもらえるので、Apex Proを利用するのであればぜひイベントにも参加するといいでしょう。
参加するのに特別な条件や、ボタンを押す作業などは必要はありません。
なお、トレードマイニングのマイスコアは、支払った手数料・LPトークンの保有量・アフィリエイトのコミッションなど、いろいろな条件によって変動します。
スコアや報酬の詳細が気になる人は、公式サイトの情報もぜひチェックしてみてください。
Apex Pro(DEX)のデメリット
続いて、Apex Proのデメリットを紹介します。
取扱い銘柄が5種類と少ない
取扱い銘柄が少ないのは、Apex Proのデメリットです。
現時点で対応している取引ペアは、以下5つのパターン。
- BTC/USDC
- ETH/USDC
- XRP/USDC
- ATOM/USDC
- DOGE/USDC
他のDEXや海外のCEXに比べても、対応銘柄はかなり少なめといえます。
いろいろなアルトコインでトレードしたいなら、他のCEXやDEXと併用するのがおすすめです。
トラブルが起きたときの対応はすべて自己責任
Apex ProはDEXの1種なので、従来のCEXのように管理している組織や企業がありません。
そのため、金銭面でトラブルがあったり、取引の際に何か問題があったりしても、すべて自己責任です。
万が一資産の入出金をする際にアドレスの入力ミスで誤送金したとしても、誰もサポートをしてくれません。
Apex Proを利用する際は、こういったリスクがあることも念頭に置いておく必要があります。
Apex Pro(DEX)は将来性も期待されている
Apex Proは、今後の将来性も期待されているプロジェクトです。
近年、CEXでのトラブルや中央集権としての管理体制を懸念する声は増えています。
2022年11月にFTXが破産したことも重なり、DEXへの移行を検討する人も以前よりは増加してきました。
そんななか、Apex ProはBybitのローンチパッド(新しいトークンを安く買えるトークンセールのこと)で上場したり、NFTゲームのリリースを予定していたりなど、かなり注目度の高いDEXです。
また、トレードマイニングやCEXとの統合など、今までのDEXではあまりなかった新しい機能もあります。
これからDEXの需要が高くなる可能性を考えると、Apex Proの将来性も十分に期待できるでしょう。
Apex Pro(DEX)の基本機能と使い方を解説
ここからは、Apex Proの基本機能と使い方を解説します。
ダッシュボード:ウォレットの管理や取引履歴を確認する
ダッシュボードは、ウォレットの管理や取引履歴を確認するページです。
Apex Proのウォレット内にある総資産額やその日の履歴、保有しているポジションなどを確認できます。
CEXでいうところの、マイページのようなものと認識しておくといいでしょう。
取引:実際にトレードをする画面
取引は、Apex Proでトレードをするための画面です。
画面左上でトレードするペアを選び、右側の項目で各種設定や注文数量などを決められます。
なお、実際にトレードをするには専用ウォレットの作成が必要です。
マイニング:BANAの獲得履歴や各種操作を行う
マイニングは、記事内でも紹介したBANAの報酬を獲得できるトレードマイニングの画面です。
Apex Proでトレードをすると、BANAや推定リワードなどがこの画面に表示されます。
現在どのラウンドが実施されているかや、報酬に関する詳しいルールなども掲載されているので、トレードマイニングに参加する際はぜひ確認してみるといいですよ。
リワード:リワード(特典)への参加や確認をする画面
リワードは、Apex Proが開催しているキャンペーン情報や、トレードマイニング以外のリワード(特典)を確認できる画面です。
新しく始まるキャンペーン情報もこの画面で発信されるようなので、お得に取引したい人は要チェックですね。
Apex Pro(DEX)に入金する方法
次に、Apex Proへ入金する方法を紹介します。
普段あまりDEXを使わない人はBybitから直接アクセスしてもOKですが、Apex Proメインで使いたい人は、MetaMaskから入金するのがおすすめです。
入金方法としては以下の2通りがあるので、それぞれ見ていきましょう。
- MetaMaskからそのままApex Proに入金
- Bybit→MetaMask→Apex Pro経由で入金
MetaMaskと接続して入金するやり方
もともとMetaMask内に仮想通貨を保有している人は、その資金をそのままApex Proに入金する方法が簡単です。
- STEP
ウォレットを作成する
MetaMaskからApex Proに入金するには、まずApex Pro側でウォレットを作成する必要があります。
まずApex Proのアプリを開いたらどの画面でもいいので、右上や中央あたりにある「ウォレットを接続する」のボタンを押してください。
そうすると以下の画面が表示されるので、接続したいネットワークと「MetaMask」の項目を選びます。
以下のようにMetaMaskの接続画面が表示されたら、ネットワークやアカウントに間違いがないか確認して接続しましょう。
規約の承認画面が出たら「同意します」をクリック。
そのあとリクエスト画面が表示されるのでリクエストを送信し、MetaMask側で署名しましょう。
署名後に次の画面になったら、任意でユーザー名とメールアドレスを登録します。
最後に「確認」ボタンを押して、ウォレットの作成は完了です。
- STEP
MetaMaskから資金を入金
ウォレットが作成できたらトレード画面を開いて、右のほうにある「デポジット」のボタンを押してください。
以下の画面になるので、入金する際のネットワーク・入金銘柄・入金数量を設定しましょう。
ネットワークと銘柄は、それぞれ4種類のなかから選べます。
設定できたら以下のように「USDC(他の銘柄でも同じ)を有効にする」をクリック。
そうするとMetaMaskが起動するので、署名をしたあとガス代などを確認し、問題なければ「確認」ボタンを押します。
処理が実行されたら、入金完了です。
なお、Apex Proはトレードの基軸通貨がUSDCなので、USDC以外の銘柄で入金した場合も、デポジット時に自動でUSDCに変換されます。
Bybit→MetaMask→Apex Pro経由で入金するやり方
続いてMetaMaskにもともと資金が入っていない人向けに、Bybit→MetaMask→Apex Pro経由で入金するやり方を紹介します。
今回は例として、BNBを入金する方法を見てみましょう。
- STEP
BybitからMetaMaskにBNBを送る
まずMetaMaskのアプリを開いて、ネットワークをBSCに設定し、以下のようにMetaMaskのウォレットアドレスをコピーします。
次に右上の「資産」メニューから「出金」を選んで、現物取引の項目にある「出金」ボタンを押してください。
以下の画面になったら通貨をBNBに設定して、その下にある「ウォレット」の欄に、先ほどコピーしたMetaMaskのアドレスを貼り付けます。
アドレスを貼り付けたらチェーンタイプを「BSC(BEP20)」に設定して、送金したいBNBの数量を入力しましょう。
「提出」ボタンを押し、確認コードや認証コードを入力して再度「提出」をクリックしたら、BybitからMetaMaskへの入金処理は完了です。
- STEP
MetaMaskからApex ProにBNBを入金する
MetaMask側で着金が確認できたら、今度はMetaMaskからApex ProにBNBを入金します。
入金方法は先に解説した、MetaMaskとApex Proを接続して入金する手順と同じです。
なお、BNBを入金するにはネットワークを「BNB Chain」にする必要があるので、他のネットワークになっている場合は以下のように切り替え設定をしましょう。
ネットワークを切り替えたあとは資産もBNBに設定し、数量を入力して「デポジットを確認する」を押します。
あとはMetaMask側でガス代などを確認し、問題なければ「確認」をクリックして入金完了です。
BybitとApex Proの接続・利用方法
普段あまりDEXやMetaMaskを使っておらず、どちらかというとCEXメインで使いたいという人もいますよね。
そういった人向けに、BybitとApex Proを接続する方法や、基本的な使い方を紹介します。
Bybitウォレットの作成方法
BybitからApex Proに接続するときはまず、Bybit Web3用ウォレットの作成が必要です。
Bybitにアクセスしたら、画面上部の「Web3」メニューを選び、以下の画面を開いてください。
次に、右側にある「ウォレットを作る」を押します。
以下の画面になるので「今すぐ作成する」をクリック。
次のような画面になったら、Bybit Web3ウォレットの作成は完了です。
トップ画面の「Web3」メニューからApex Proにアクセスできる
ウォレット作成後は、トレード画面が次のように変わっているので、画面上にある「loginBybitWallet」をクリックしてみてください。
初回ログイン時に、本家Apex Proと同じくユーザー名やパスワードも設定できます(あとから設定も可能です)。
ログイン後はApex Proにアクセスした状態になり、ダッシュボードやTrade-to-Earnなど各メニューから、Apex Proの機能を使えます。
Bybitでアクセスした場合の入金方法
BybitからApex Proにアクセスした場合、入金はBybitのウォレット間でそのまま行えます。
トレード画面で「デポジット」を押すと、以下の画面になるはずです。
現物アカウントから入金するなら「Bybit Spot Account」を、Web3 Walletから入金するなら「Bybit Wallet」を選んで「次へ」をクリックします。
たとえば「Bybit Spot Account」を選んだ場合は次のような画面になるので、入金するUSDCの数量を入力して「提出」を押しましょう。
処理が無事に終われば、入金完了です。
ちなみに、Bybitのウォレット間で入出金する場合は、現時点だとUSDCにしか対応していません。
まとめ
Apex ProはBybitや大手の投資機関が出資している、デリバティブ取引に特化したDEXです。
DEXでありながらCEXのように使える、取引時のコストがあまりかからない、といったメリットがあります。
また、取引するだけで報酬が獲得できる、トレードマイニングというイベントに参加できるのも魅力です。
- DEXメインで使うならMetaMaskから入金するのがおすすめ
- MetaMaskに資金がない場合は、Bybit→MetaMask→Apex Pro経由で入金するのもあり
- CEXメインで使いたいなら、Bybitから直接アクセスするのも1つの方法
MetaMaskやBybitの口座があれば簡単に利用できるので、投資の幅を広げたい人はぜひ1度使ってみるといいですよ。