仮想通貨を管理するウォレットには、さまざまな種類があります。
そのなかでもハードウェアウォレットは、取引所やウェブ上のウォレットよりもセキュリティが高く、安全に資産を管理できるのが特徴です。
しかし、一言でハードウェアウォレットといってもいくつかの製品が販売されており、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
そこで本記事では、ハードウェアウォレットの選び方やおすすめの製品5選を紹介します。
記事の後半ではハードウェアウォレットに関するQ&Aも掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
- 1位:Trezor:対応通貨数が多く性能も高い
- 2位:Ledger Nano S:セキュリティが強固で日本語にも対応
- 3位:SafePal:Binanceやバイナンススマートチェーンに関連する通貨の管理に便利
- 4位:Keepkey:直感的な操作が可能で、初心者でも使いやすい
- 5位:Cool Wallet S:軽量かつコンパクトで持ち運ぶ際も便利
結論からお伝えすると最もおすすめなのはTrezorです。
対応通貨数・セキュリティ・料金面の全てにおいて文句なしなので、これを選んでおけば間違いありませんよ。
タップできる目次
ハードウェアウォレットの選び方
まずは、ハードウェアウォレットの選び方を紹介します。
対応通貨数をチェック
ハードウェアウォレットを選ぶときは、対応通貨数をチェックしてみてください。
仮想通貨はBTC・ETH・XRPなどをはじめ、数えきれないほどの銘柄があり、人によって取引している通貨は異なります。
せっかくハードウェアウォレットを購入しても、自分が取引・保有している通貨に対応していなければ意味がありません。
ハードウェアウォレットごとに対応している通貨は決まっているので、どんな銘柄を管理できるのか必ず確認しておきましょう。
なかにはトークンを含めると、1,000種類以上の通貨を保管できるウォレットもあります。
管理したい通貨の種類が多い場合は、そういった対応通貨数の多いものを選ぶのがおすすめです。
セキュリティの高いウォレットがおすすめ
ハードウェアウォレット選びでは、セキュリティの高さも大切なポイント。
一般的なホットウォレットとは違って、ハードウェアウォレットは通信環境から切り離して通貨を保管します。
そのため、暗号化や秘密鍵の管理などにより、どれだけハッキングや情報漏洩を防げるかも重要です。
ハードウェアウォレットによってセキュリティ対策の仕方は異なりますが、たとえばPINのシャッフル機能や、秘密鍵のオフライン管理といった工夫がされています。
大切な資産を守るためにも、しっかりとセキュリティ対策のできるウォレットを選びましょう。
コスパを重視するなら料金も確認
コスパを重視する人は、料金面も要チェック。
仮想通貨のハードウェアウォレットは資産を管理するために便利ですが、価格はやや高めです。
製品にもよりますが、なかには10,000円を超えるウォレットもあります。
ただ、最近では高度な性能を備えていながら10,000円以下で購入できるものなど、コスパのいいウォレットも増えてきました。
もちろん性能やセキュリティの高さは大切ですが、そういった要素と合わせて料金も確認しておくと、より納得のできるウォレットを選べるはずです。
ハードウェアウォレットおすすめランキング5選
それではここから、仮想通貨のハードウェアウォレットのおすすめ5選を紹介します。
まずは比較表をご覧ください。
商品名 | 対応通貨数 | セキュリティ | 料金 |
---|---|---|---|
1位:Trezor(トレザー) | 10種類以上 | 秘密鍵でのデバイス管理 | 53ユーロ (約6,950円) |
2位:Ledger Nano S(レジャーナノエス) | 30種類以上 | セキュアエレメント・PINコード | 8,990円 |
3位:SafePal(セーフパル) | 30種類以上 | デバイス認証システム・PINコードなど | 59.99ドル (約6,700円) |
4位:Keepkey(キープキー) | 7種類以上 | PINコードシャッフル | 49ドル (約5,700円) |
5位:Cool Wallet S(クールウォレットエス) | 7種類上 | 生体認証・目視確認・物理的操作など | 99ドル (約11,500円) |
1位:Trezor
項目 | Trezorの詳細情報 |
---|---|
商品名 | Trezor(トレザー) |
対応通貨数 | 10種類以上 |
セキュリティ | 秘密鍵でのデバイス管理 |
料金 | 53ユーロ(約6,950円) |
TrezorはBTCやETHをはじめとする主要銘柄の他、10種類上の仮想通貨に対応しているハードウェアウォレットです。
トークンを含めると、1,000種類を超える通貨に対応できます。
仮想通貨のハードウェアウォレットとしては人気が高く、パソコンとUSB接続するだけで簡単に使えるのが魅力。
秘密鍵をデバイスで保管するシステムを採用しており、セキュリティの高さにも強みを持っています。
MyEtherWallet・Mycelium・Electrumなど複数のウォレットとの連携もでき、残高の確認や通貨の送金・受け取りも可能です。
なお、Trezorにはベーシックモデルである「Trezor ONE」の他、SDカード対応やタッチパネルディスプレイなどの機能を備えた新型モデルの「TREZOR Model T」もあります。
それぞれで機能や対応通貨数、料金などは異なるので、スペックも見比べながら選ぶといいでしょう。
- 対応通貨数の多いハードウェアウォレットを探している人
- 高性能ながら、価格も安いハードウェアウォレットを購入したい人
2位:Ledger Nano S
項目 | Ledger Nano Sの詳細情報 |
---|---|
商品名 | Ledger Nano S(レジャーナノエス) |
対応通貨数 | 30種類以上 |
セキュリティ | セキュアエレメント・PINコード |
料金 | 8,990円 |
主要通貨をはじめ、アルトコインも含めると30種類上の仮想通貨を管理できるLedger Nano S。
アップデートによって日々管理できる銘柄は増えているので、今後も対応通貨数の拡大が期待できます。
セキュアエレメントという高度な暗号化技術を用いて資産を管理するため、セキュリティ対策はばっちりです。
さらに安全性を高めるためにPINコードも用意しており、外部への情報漏洩を防いでいます。
MyEtherWalletやMyCryptoと連携すれば、イーサリアム系トークンやその他のトークンなどの保管も可能。
また、Ledger Nano Sは日本の代理店が正規品を販売しているため、日本人でも購入しやすいのも利点です。
価格も8,990円と比較的安いので、安価で購入できるハードウェアウォレットを探している人は使ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、Ledger Nano SはパソコンにUSB接続をして使いますが、パソコンに接続しなくても使える上位モデルの「Ledger Nano X」もあります。
Ledger Nano Xのほうが性能に優れている分価格は高くなりますが、ハードウェアウォレットの使い方に慣れてきたら、上位モデルも検討してみるといいでしょう。
- BTCやETHをはじめとする主要銘柄を管理したい人
- セキュリティの強固なハードウェアウォレットを使いたい人
3位:SafePal
項目 | SafePalの詳細情報 |
---|---|
商品名 | SafePal(セーフパル) |
対応通貨数 | 30種類以上 |
セキュリティ | デバイス認証システム・PINコードなど |
料金 | 59.99ドル(約6,700円) |
SafePalは、世界最大手の取引所であるBinanceからの支援を受けて開発されたハードウェアウォレットです。
PancakeSwapやUniswapといったDEX(分散型取引所)もパートナーとして提携しており、ユーザーが多いことでも知られています。
30種類を超える仮想通貨の他、トークンを合わせると10,000以上の通貨に対応可能です。
また、SafePalはBinanceのアカウントを開設していなくても、バイナンススマートチェーンに対応した取引所に直接アクセスができるのもメリットの1つ。
もしもBinance口座へのアクセスができなくなった場合も、SafePalがあればBinanceやバイナンススマートチェーンに接続できます。
デバイス認証システム・PINコード・QRコードなどを導入し、セキュリティ面も高性能です。
価格は日本円でおよそ6,700円ですが、セール時はさらに安くなっていることもあり、料金の安さを重視している人にもおすすめできます。
- Binanceやバイナンススマートチェーンに関連する通貨を管理したい人
- 価格の安いハードウェアウォレットを探している人
4位:Keepkey
項目 | Keepkeyの詳細情報 |
---|---|
商品名 | Keepkey(キープキー) |
対応通貨数 | 7種類以上 |
セキュリティ | PINコードシャッフル |
料金 | 49ドル(約5,700円) |
Keepkeyは、アメリカのShapeShift社が開発したハードウェアウォレットです。
TrezorやLedger nano Sに比べると大きさも重量もありますが、その分画面が大きく、直感的な操作ができます。
操作ミスや紛失もしづらいので、初心者には使いやすいウォレットでしょう。
高級感のあるシンプルなつくりで、デザイン性の高さも魅力です。
セキュリティ対策としてはPINコードのシャッフル機能が備わっており、外部からの不正アクセスもしっかりと防ぎます。
また、Keepkeyは容量が2.2GBと大きいのも特徴。
これだけの容量があれば、最大で10種類ほどのコインやトークンを保管できます。
1台のウォレットでまとめて通貨を管理したいときにも重宝しそうですね。
- シンプルで使いやすいハードウェアウォレットがいい人
- デザイン性にもこだわりたい人
5位:Cool Wallet S
項目 | Cool Wallet Sの詳細情報 |
---|---|
商品名 | Cool Wallet S(クールウォレットエス) |
対応通貨数 | 7種類上 |
セキュリティ | 生体認証・目視確認・物理的操作など |
料金 | 99ドル(約11,500円) |
世界初のカード型ハードウェアウォレットとして知られるCool Wallet S。
SBIホールディングスが出資したことで話題になり、今後も注目されるであろうウォレットです。
厚さ0.8mm・重さ6gのコンパクト設計で、持ち運びやすいのが特徴。
防水性能が備わっており、外出先で仮想通貨の管理をしたいときにもおすすめです。
生体認証・目視確認・物理的操作による「2+1認証」というシステムを導入し、強固なセキュリティを実現しています。
また、暗号化されたBluetoothでスマホアプリと接続するため、ハッキングリスクが極めて低いのも利点です。
7種類以上の主要な仮想通貨の他、ERC20系トークンにも対応しています。
また、「CoolBitX Crypto」という専用スマホアプリと連動させれば、パソコンに接続しなくても仮想通貨の取引が可能です。
- 持ち運びやすいハードウェアウォレットが欲しい人
- スマホアプリでも操作したい人
ハードウェアウォレットに関するよくある質問
仮想通貨の管理をするのに便利なハードウェアウォレットですが、はじめて使う場合はわからない点なども多いですよね。
そんな人のために、ハードウェアウォレットに関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。
ハードウェアウォレットのメリットとデメリットは?
ハードウェアウォレットのメリットは、通信環境とは切り離して通貨を保管できるため、不正アクセスや情報漏洩などのリスクを極端に下げられることです。
従来の取引所やウェブウォレットでは、オンライン上で資産を管理するので、セキュリティ面が安全とは言い切れません。
その点、オフラインで通貨を管理できるハードウェアウォレットは、より安全・確実に仮想通貨を保管しておきたい場合には適したウォレットといえるでしょう。
仮にハードウェアウォレットを紛失しても、秘密鍵をなくさない限りは、管理していた資産がなくなるリスクはほとんどありません。
また、1つのデバイスでさまざまな仮想通貨の管理ができるのもハードウェアウォレットの利点です。
仮想通貨は何千種類もありますが、最近では1,000種類以上のコインやトークンに対応したウォレットもあり、複数の通貨をまとめて管理したいときにも重宝します。
一方で、ハードウェアウォレットは基本的にパソコンへ接続して設定する必要があり、使用方法はやや複雑です。
日本語に対応していないものも多く、初心者だと慣れるまでに多少苦労することがあります。
また、端末自体の価格がやや高いのもデメリットです。
最近ではコスパのいいハードウェアウォレットも増えていますが、それでも最低5,000円程度はするので、ある程度の初期費用がかかることは覚えておきましょう。
ハードウェアウォレットとソフトウェアウォレットの違いは?
ハードウェアウォレットとソフトウェアウォレットの主な違いは、実体があるかどうかです。
ソフトウェアウォレットは、スマホやパソコンなどの端末にWeb上でアクセスして使用するため、実体はありません。
一般的にウォレットと呼ばれるものの多くは、このソフトウェアウォレットにあたります。
一方のハードウェアウォレットは、USBデバイス型などをはじめとする実体のあるウォレットです。
パソコンに接続して使うのが基本で、持ち運びもできます。
よく聞くコールドウォレット、ホットウォレットって何?
コールドウォレットは、インターネットとは切り離されたオフライン上で資産を管理するウォレットのことで、ホットウォレットよりも高いセキュリティを備えています。
ホットウォレットは、仮想通貨の取引所や外部のウェブサーバー上で資産を保管するウォレットで、常にインターネットに接続した状態です。
そのため、ホットウォレットはコールドウォレットよりもハッキングなどのリスクが高く、セキュリティ面ではやや劣ります。
なお、ホットウォレットはインターネットに繋がっているウォレット全般を指し、その種類はさまざまです。
ソフトウェアウォレットをはじめ、取引所独自の取引所ウォレットや、ウェブサーバー上で仮想通貨の管理を行うウェブウォレットなども、すべてホットウォレットに分類されます。
ハードウェアウォレットの使い方は?
ハードウェアウォレットの使い方は以下の通りです。
- STEP
本体の初期設定
まずは本体とパソコンをUSBケーブルなどで繋ぎます。
電源を入れたら、PINコードやリカバリーフレーズを設定しましょう。
コードやリカバリーフレーズは、紛失しないように必ず記録してください。
- STEP
データの復元方法をチェック
初期設定の際に、データの復元方法もチェックしておくのがおすすめです。
実際の復元方法を一度試しておくと、万が一データを紛失しても慌てずにウォレットの中身を復元できます。
復元方法はウォレットによって多少の違いがあるので、リカバリーフレーズの単語数や入力方法なども確認しておくといいでしょう。
- STEP
専用アプリのインストール
初期設定が終わったら、専用アプリをインストールします。
アプリはそれぞれのウォレットの公式サイトなどでダウンロード可能です。
アプリをインストールしたら、自分の管理したい仮想通貨やトークンを設定します。
仮想通貨の送金・入金方法などは、各ウォレットのマニュアルや公式サイトで確認してみてください。
ハードウェアウォレットが故障したらどうなる?
ハードウェアウォレットが故障しても、保有していた資産がなくなることはありません。
データを復元するためのリカバリーフレーズさえあれば、資産を復元できます。
新しいウォレットが手元に届き次第リカバリーフレーズを入力し、復元作業を行えばOKです。
ちなみに、製品によっては1~2年の保証がついているものもあります。
すべての故障が保証されるわけではありませんが、場合によっては無料で返品・交換対応が可能なこともあるので、カスタマーサービスに問い合わせてみるといいですよ。
まとめ
仮想通貨の管理をするウォレットはいくつかありますが、そのなかでもハードウェアウォレットはセキュリティ面に優れており、安全に資産を保管できるのが特徴です。
今回紹介したハードウェアウォレットのなかだと、高性能かつ対応通貨数も多いTrezorがおすすめ。
その他、強固なセキュリティを誇るLedger Nano Sや、Binance関連の通貨を管理するのに便利なSafePalなど、さまざまなウォレットがあります。
ここで紹介した選び方やおすすめの製品をぜひ参考にしながら、自分にぴったりのハードウェアウォレットを見つけてくださいね。
- ハードウェアウォレットは強固なセキュリティを誇り、資産をより安全に管理できる
- 秘密鍵を紛失しない限りは、管理していた資産がなくなるリスクもほとんどない
- 使い方はやや複雑で、慣れるまでには苦労しがち
- ウォレット自体を購入しなければならず、ある程度の初期費用はかかる
仮想通貨は自分で守るしかありません。
大事な資産を失ってから後悔しないためにも、ハードウェアウォレットを使ってしっかりと管理しましょう。