Space IDは、Web3.0上のあらゆるIDをまとめて管理できるネーミングサービスプロジェクトです。
NFT・Web2.0・Twitterなどさまざまなサービスとも統合できる画期的なプロジェクトで、仮想通貨界隈でも注目を集めています。
しかし、日本ではまだそれほど浸透していないこともあり「具体的にどういったサービスなのかよくわからない」という人も多いはず。
そこで本記事では、Space IDの概要や特徴、将来性を解説します。
後半では実際にSpace IDのドメインを取得する方法や、基本的な機能も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
なお、この記事は2022年12月27日時点での情報です。
- Web3.0上のさまざまなIDを管理できるドメインサービス
- NFTやWeb2.0、Twitterとの統合もできる
- 将来的にはメタバースやdAppsでの活用も視野に入れている
- 独自トークンはまだ発行されていない
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Space IDとは?特徴を紹介
まずはSpace IDがどういったプロジェクトなのか、概要や特徴について紹介します。
Web3.0上のさまざまなIDを管理できるネーミングサービス
Space IDは、Web3.0上のさまざまなIDを管理できるネーミングサービスプロジェクトです。
近年、Web3.0やデジタル世界ではENSというネーミングサービスが普及しています。
ENS(Ethereum Name Service)とは、イーサリアムのブロックチェーンを基盤とした、長くて複雑な仮想通貨アドレスをわかりやすい文字列に変換するサービスのことです。
しかし、従来のENSだと複数のチェーンやアプリでアドレスを持っている場合、それらを管理するのが大変という問題がありました。
一方、Space IDは1つのIDを発行するだけで、異なるチェーンのIDや他アプリのドメインなどをまとめて管理できるのが特徴。
たとえば「:Taro」というIDを発行すると、BNB・イーサリアム・Cosmosなど、どのチェーン上でもユーザー名を「:Taro」にすることが可能です。
ちなみに、ENSはイーサリアムのブロックチェーンを基軸にしていますが、Space IDではBNBチェーンを基盤にしています。
つまりSpace IDは、BNB版のENSのようなものといえますね。
Space IDで発行したIDは「SID」と呼ばれているようです。
NFTやWeb2.0の統合も可能
Space IDはWeb3.0上のIDやデジタル世界のユーザー名だけでなく、NFTやWeb2.0との結合もできます。
たとえばBAYCが自社のNFTホルダーに対し、APEというトークンのエアドロップをしたいとしましょう。
この場合、従来であれば個人のアドレスを確認し、それぞれに送金する必要がありました。
しかし、Space IDとNFTを統合していれば、接続済みIDのサブドメインにトークンを送るだけで済みます。
わざわざ送金専用のアドレスや別のユーザー名を確認する必要がないので、送金する側もトークンを受け取る側も、手間がかからないということです。
TLDとマルチチェーンの組み合わせもできる
Space IDは、TLDとマルチチェーンの組み合わせもできます。
TLDは正式名称を「Top Level Domain」といい、ドメイン名にあるドットで区切られた文字列の一番右の部分のことです。
仮にドメインを「:Taro」と設定していた場合、次のように異なるブロックチェーン上やアプリで「:」をドメイン名のあとに並べた、いろいろな設定もできます。
- BAYC:001
- ETH:Taro(taro.eth)
- BNB:Taro(taro.bnb)
また、Twitter でユーザーが@Taroだった場合、Twitter:Taroをドメインの1つとして使用することも可能です。
Space IDではすべてのアドレスが上記のように結びついているため、ユーザーは異なるブロックチェーン間での暗号の送信などもできます。
将来的にはメタバースやdAppsでの活用も目指している
Space IDは現状だとWeb3.0をはじめとするネットやデジタル世界で普及していますが、将来的にはメタバースやdAppsでの活用も目指しています。
dAppsとは、ブロックチェーンを利用した分散型アプリケーションの総称です。
一言でdAppsといっても、金融サービスやゲームなどいろいろな種類があります。
また、メタバースは最近メディアでも取り上げられるようになっている、インターネット上の3次元仮想空間のことです。
仮想通貨やブロックチェーンとの関連性も強いことから、世界中で話題になっていますよね。
Space IDは、こういった最新の技術やサービスでの活用も視野に入れています。
Space IDで取得したアドレスを使うことで、仮想通貨の取引・NFTの作成・チケットの購入、さらには分散化された世界での家の購入ができる可能性もあるとのこと。
さまざまな企業やプロジェクトと提携している
Space IDは、既にさまざまな企業やプロジェクトと提携しています。
提携済みの代表的な企業はこちらです。
Space IDの基盤となっているBNBチェーンはもちろん、ユーザー情報のオープン化を目指しているGalxeや、歩いて稼げるブロックチェーンゲームとして一世を風靡したSTEPNとも提携しています。
その他、NFT関連のプロジェクトや仮想通貨ウォレットの会社など、さまざまな企業がSpace IDのサポートをしているようです。
Space IDのトークンはまだ未発行
Web3.0の世界で新しいネーミングサービスを提供しているSpace IDですが、独自のトークン(仮想通貨)はまだ発行されていません。
なお、ロードマップでは2023年の第4四半期に「SID DAO Launch」と記載されています。
予定通りにプロジェクトが進めば、近々トークンに関する情報が公開される可能性もあるでしょう。
ただ、仮想通貨関連のプロジェクトは、ロードマップ通りに開発や運営が進まないことも多いです。
ロードマップが変更になる可能性もあるので、トークンの詳細については、Space IDが発表する今後の情報をチェックしてみるといいでしょう。
Space IDは将来性の期待値も高い
Space IDは、将来性も期待されています。
Space IDがプロジェクトを展開しているWeb3.0は、最近では仮想通貨界隈だけでなく一般層でも注目を集めていますよね。
中央の管理主体を置かずに、透明性とセキュリティの高いサービスが実現すると考えられており、世界中の有名企業も参入し始めています。
また、Space IDはNFT・Web3.0・Twitterなどさまざまなサービスやアプリとも統合できることから、活用の幅は非常に広いです。
1つのIDであらゆるドメインを管理できるという技術は、これまでのENSと比べても利便性が高く、登録ユーザーの数も着々と増えています。
日本ではまだそれほど浸透していませんが、プロジェクトの知名度が上がれば、さらにユーザー数も増えるでしょう。
そうなるとプロジェクトやトークンの需要も高くなる可能性があるので、Space IDの今後の展開にも注目しておきたいですね。
なお、ここで紹介している内容はあくまでも筆者独自の意見であり、Space IDの将来性を保証するものではありません。
Space IDでドメインを購入する方法
ここからは、実際にSpace IDでドメインを購入する方法を紹介します。
なお、Space IDでドメインを取得するには、MetaMaskなど外部ウォレットとの接続が必要です。
ウォレットを持っていない人は、事前にダウンロードと登録を済ませておきましょう。
Space IDにMetaMaskを接続
まずSpace IDの公式サイトにアクセスします。
ドメインを取得したいときは、右上の「App」をクリックして、次のようなSpace IDのアプリ画面を開きましょう。
続いて、右上にある「CONNECT」をクリック。
ウォレットの接続画面が立ち上がったら、自分が接続したいウォレットを選んでください。
今回は例として、MetaMaskを接続する方法で進めます。
MetaMaskを選択したら以下のようにMetaMaskの画面が表示されるので、繋げたいアカウントを選んで「接続」ボタンを押しましょう。
基本的にはBNBチェーン上での操作になるため、次の画面が表示された場合は「Switch to BSC」をクリックしてください。
MetaMaskのほうでチェーンの切り替えを許可し、Space ID画面の右上に人柄マークが表示されていれば、ウォレットの接続は完了です。
登録したいドメイン名を検索
ウォレットを接続すると、Space IDが以下の画面に切り替わります。
ページ中央にある検索ウィンドウで、登録したいドメイン名を入力して検索しましょう。
検索したドメイン名が利用可能だと、以下のように「available」という表示が出ます。
既に使われているドメイン名だと「unavailable」とオレンジ色の表示が出るので、その場合は他のユーザーに使われていない、別のドメイン名で再度検索してみてください。
ドメイン名が利用できることを確認したら、右側にある「Register」をクリックします。
登録期間を設定してドメインを取得
次のような画面になったら「Registration Year」という項目で、ドメイン名を登録する期間を設定します。
最低登録期間は1年で、年数の上限はありません。
登録期間を設定すると、その年数に応じた推定料金を確認できます。
料金に問題なければ「Request」ボタンを押してください。
登録のリクエスト後、2つのトランザクションのうち最初のトランザクションを実行可能です。
これはボットによる登録トランザクションの実行を防ぐためのもので、作業完了には30秒ほどかかる場合があります。
トランザクションが完了して画面に「✓」のようなマークが表れたら、真ん中にある「Register」ボタンをクリックしてください(2回目のトランザクション)。
ボタンをクリックしたあと、上部にある「Complete Registration」の文字が緑に変わり、真ん中に「Manage Profile」の画面が表示されていれば、ドメインの取得は完了です。
なお、最初のトランザクションから7日以内に2回目のトランザクションが処理されないと登録が無効になるので、早めに処理を完了させてくださいね。
Space IDの代表的な機能と使い方
最後に、Space IDの代表的な機能とそれぞれの使い方を紹介します。
BNBドメインの管理
1つめの機能は、取得したBNBドメインの管理です。
登録後に画面右隅のマイページを開くか、もしくは先ほどの登録完了時の画面にあった「Manage Profile」というボタンを押すと、以下のようなページが表示されます。
この画面で、登録したドメインの表示や編集が可能です。
その他、ドメイン登録の所有権を他のアドレスに譲渡したり、ドメインの登録期間を伸ばしたりなど、いろいろな設定ができます。
各機能の詳細と使い方については、Space IDの公式サイトを確認してみるといいでしょう。
報酬を受け取れる紹介プログラム
紹介プログラムは、紹介リンクを使用して友人またはコミュニティがBNBドメインに登録すると、被招待者の登録料の最大15%を受け取れるサービスです。
受け取れる手数料の割合は以下のように、招待したユーザーの人数によって変動します。
招待用のリンクを取得したいときは、マイページの項目にある「Referral」を押してください。
そうすると次のように紹介画面が開き、招待用のリンクが自動生成されます。
QRコードを使って友達を招待することも可能です。
なお、招待用リンクの取得や紹介プログラムを適用するには、初期ネーム(プライマリネーム)の設定など特定の条件をクリアする必要があります。
その他、紹介プログラムに関するルールもいくつか定められているので、詳細は公式サイトをチェックしてみてください。
ギフトカードの送金機能
Space IDでは、ギフトカードの送金機能も使用可能です。
他のユーザーにプレゼントとしてドメインを贈る場合、相手の希望を聞いたりドメインの空き状況を確認したりなど、何かと手間がかかります。
そういった場合に、代わりにギフトカードを贈ることで上記のような手間や負担をなくし、簡単にドメインの譲渡ができるとのこと。
Space IDのギフトカードはNFTとして発行されるため、出品や譲渡も可能になっているようです。
また、ギフトカードにはSpace IDのメインネットでのみ使える、SIDポイントとの交換機能もついています。
ギフトカードを購入したいときは、プロフィールページ左上の「SPACE ID Point」の下にある「Mint Gift Card」をクリックしてください。
そうすると次のようにいろいろな金額のギフトカードが表示されるので、カード画面を右や左にスワイプしながら、希望する金額のカードを選びましょう。
あとは「Mint」ボタンを押して署名やトランザクションを済ませたら、ギフトカードの購入は完了です。
なお、ギフトカードの交換や譲渡をする際は、また別の作業が必要になります。
こちらも公式サイトに詳細が記載されているので、気になる人は確認してみてください。
まとめ
Space IDは、Web3.0上のIDをまとめて管理できるドメインサービスプロジェクトです。
NFT・Web2.0・Twitterなどとも統合可能で、将来的にはメタバースやdAppsでの活用も視野に入れています。
既に大手の企業やサービスと提携しており、注目度も高いことから、将来性も期待できるでしょう。
Web3.0に関連する新しいドメイン系プロジェクトに興味のある人は、ぜひSpace IDの登録も検討してみてはいかがでしょうか。
- まずはSpace IDとMetaMaskを接続
- 取得したいドメイン名を検索し、利用可能なら登録ボタンを押す
- 登録期間を設定してドメインを取得